安倍晋三総理とプーチン大統領の北方領土問題について、テレビやWEBのニュースで大きく取り上げられている昨今ですが、二人は仲が良いのでしょうか?
政治家は、外交を通して個人的にもいろいろな交流をはかり、交渉にあたるというイメージがありますが、安倍総理とプーチン大統領の関係性はどうでしょうか?
ここでは、安倍総理とロシアのプーチン大統領の交流や関係性について、少し迫ってみたいと思います。
安倍総理はプーチン大統領をファーストネームで呼ぶ
2017年4月の会談後、会見の場で安倍総理はプーチン大統領のことを「ウラジーミル」とファーストネームで呼び、注目を集めました。「ファーストネームで呼ぶほどに親密になれた」というアピールでもあります。
これに対して、プーチン大統領は、終始一貫して安倍総理のことを「安倍さん」「安倍首相」と呼ぶなど、ファーストネーム「シンゾウ」ではない敬称で通しました。
日ロの平和条約問題に触れるあたりでは、安倍総理は熱を込めて「ウラジーミル」を連呼しましたが、一方のプーチン大統領は、その後も安倍総理をファーストネームで呼ぶことがなかったそうです。
会談については、それなりの成果があったと謳っていますが、冷静な対応を通したプーチン大統領と安倍総理の間の温度差が、ささやかながら露見した会見となったようです。
ちなみに、プーチン大統領のファーストネームは「ウラジーミル」ですが、ロシアではオフィシャルな場で他人を呼ぶとき、「ファーストネーム+父称」で呼ぶことが多いそうです。ロシア式敬語表現で言うと、「ウラジーミル(ファーストネーム)・ウラジーミロヴィッチ(父称)」となります。
プーチン大統領は、ロシアの議員仲間から敬意を込めて「ウラジーミル・ウラジーミロヴィッチ」と呼ばれているそうなので、もしかすると安倍総理が「ウラジーミル・ウラジーミロヴィッチ」と呼べば、プーチン大統領も思わずニヤリとしたのでは?と言う見解があります。
しかしロシア側も、外国の総理にそこまでロシアの文化を求めてはいないと思いますので、安倍総理が「ウラジーミル」と呼んだことに全く問題はないようです。
プーチン大統領は怖い?
プーチン大統領の経歴といえば、元KGBのスパイであり、柔道と格闘技・サンボの達人としても知られており、その鋭い眼光からも、ちょっと怖いイメージがあります。
また、政治的にも元スパイから連想されるような、裏の顔があると噂されています。しかし現在も、ロシア国民の支持は大きく、絶対的な地位を築いていると言えます。
そんなプーチン大統領ですが、実は意外と親日家な部分を持っているそうです。柔道に精通していることから、柔道家の嘉納治五郎、山下泰裕氏や、姿三四郎を尊敬しているとも言われています。
また、大の犬好きで知られるプーチン大統領は、秋田犬を飼っており、その犬「ゆめ」を、とても可愛がっているのも有名な話です。この秋田犬は、2012年の東日本大震災を支援してくれたお礼に、と秋田県がプレゼントした犬だそうです。
プーチン大統領と麻生元総理
プーチン大統領が首相だった2009年、当時総理大臣だった麻生太郎副総理との間に、おもしろいエピソードが残っています。
2009年5月に日本で結ばれた各種協定での出来事ですが、両国の大臣が署名をする間、当時首相のプーチン大統領と総理大臣だった麻生副総理は、ずっと後方で立って待っていました。その時、ひそひそ話をしていたそうです。
背の高いロシア人が多数いる中で、少し小柄な、前首相を務めていた人物が登場した際、麻生副総理が「ロシアでも利口なやつはあんまり背が高くないんだな」と冗談を放ったそうです。プーチン大統領は思わず頬を緩ませてニヤッと笑ってしまいます。
プーチン大統領と麻生副総理は、並ぶとあまり身長差がないように見えます。ロシアでは決して背の高い方ではないプーチン大統領も、この冗談には思わず破顔してしまったようです。さらに麻生副総理はこのあと、プーチン大統領に肘鉄を当てており、二人で笑いあっている印象的な写真が残っています。
こうした交流は、安倍総理との間には現在のところ見ることはできません。麻生副総理とは異なる交流で、プーチン大統領との関係性をこれからどれだけ深めていけるかも、注目したいところです。
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