政治家の周囲には必ずといっていいほど、秘書がついている様子がテレビなどに映っていますね。どんな時も政治家に随行して活躍する秘書の仕事は、想像するだけでも大変そうですが、やりがいが感じられることは間違いないと思われます。
そんな政治家の秘書になるには、どういう手段があるのでしょう。他の職種と同様に、一般に求人の募集がかかっているのでしょうか。
ここでは、政治家の秘書になる方法について、迫ってみたいと思います。
国会議員の秘書には2種類ある
ひと口に“政治家の秘書”といっても、国会議員の秘書ともなると種類があるそうです。ひとつは、国が給料を支払う「公設秘書」、もうひとつは、議員が私費で雇う「私設秘書」です。
公設秘書は、ひとりの国会議員につき3名までと人数制限があります。「政策担当秘書」「第一公設秘書」「第二公設秘書」となり、その中でも「政策担当秘書」というトップクラスの秘書になると、資格・要件が決められているそうです。
「政策担当秘書」になるには、「政策担当秘書資格試験」という難関の国家試験を突破する必要があるそうです。ただ、この難関な試験にパスする確率がわずか1割程度しかいないことから、10年以上公設秘書を務めて、一定の条件をクリアした上で、研修終了とする方法をとる場合がほとんどだといいます。
一方の私設秘書は、基本的に議員に認められて雇用となれば、特に資格は必要なく、何人いても制限はないそうです。
国会議員の秘書になるには
公設秘書も、私設秘書からスライドする場合があるそうですが、これは時々耳にする親戚や身内であることが多いようです。
自身で売り込む場合は、ボランティアで選挙活動を手伝ったり、学生の間に、議員事務所が募集するインターンに志望するなどして、まず事務所へ出入りすることが必要なようです。有能であると判断された場合は、卒業後に秘書として雇用される可能性があるそうです。
最近では、他の職種と同様に、転職情報系のサイトなどで募集がかかっているものも見られます。
政治家の秘書に求められる能力とは?
秘書として「有能である」とはどういうことでしょうか。議員秘書に求められる能力には、「受動的ではなく、先を読んで主体的に動ける」ということが求められるといいます。
優秀な秘書は、情報収集能力と分析力に長けているそうです。目立つことはありませんが、軽いフットワークと能力が要求される、高いスキルが必要な仕事のようです。
そして当然ですが、守秘義務が守れること、裏方に徹しつつ周囲に気を配り、臨機応変に立ち回れることも重要になります。
また、決まった労働時間や休日もままならないことが多いとのことで、体力勝負でもあります。健康で丈夫であることが基本ですね。
政治家の秘書になる覚悟
公設秘書になると、さまざまな手当てを含めて優遇される一方で、議員が選挙で落選すれば、その時点で失職するというリスクも抱えることになります。
任期途中での解散がない参議院議員と比べると、つねに解散の危険がある衆議院議員の秘書はさらにハイリスクを背負うことになります。
秘書の中には、いざという時に仕事を確保できるように、自身の能力をさりげなくアピールするなど、他の議員や秘書などと人脈を広げる人も多いと言います。政権争いが激化すると、秘書の雇用も不安定になるという実情です。一流の秘書になると、転職する場合を含めた世渡り術も心得ているようです。
また、議員秘書の中には、いずれは政治家としての活躍を目指す人もいます。そうした強い目的意識を持つことや、議員に対する奉仕の精神が、まず秘書になる上での覚悟として重要なのかもしれませんね。
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