さまざまな国に、さまざまなファーストレディが存在しています。なかには、憧れの的となる女性であったり、歴史的なニュースの中で記憶される女性もいます。
世界には、そして過去にはどんなファーストレディが存在していたのでしょう?ファーストレディの意味とは?
ここでは、世界の「ファーストレディ」について、迫ってみたいと思います。
「ファーストレディ」という呼称はいつから?
「ファーストレディ」という呼称は、現在では国家首脳の夫人を指す言葉として定着していますが、一体いつからそう呼ばれるようになったのでしょうか?
一説では、もともとはアメリカ大統領夫人を指す言葉だったものが、アメリカの影響力が強くなった第一次世界大戦の後くらいから世界中に広まり、今日のように多くの国で使われるようになったと言われています。
アメリカでも、初代大統領のジョージ・ワシントンの夫人は「ファーストレディ」とは呼ばれず、「レディー・ワシントン」、次のジョン・アダムズ大統領の夫人は「ミセス・プレジデント」や「ハー・マジェスティー」などと呼ばれていたようです。
特に呼び名に一貫性はなかった初期ですが、1863年にイギリスのタイムズ紙記者が出版した手記のなかに、エイブラハム・リンカーン大統領夫人を紹介した一節があり、そこに「ファーストレディ」と表記した部分があったそうです。これが初例ではないかと言われています。
ファーストレディの仕事とは?その由来は?
日本のファーストレディは、内閣総理大臣夫人ですね。夫である国家首脳を私的に支えるかたわら、公的にも首脳の非政治的行事である文化事業の視察であったり、来賓の晩さん会などに参加したり、首脳の外国訪問に伴ったりします。
外遊に夫人を同伴するのは、かつて王侯が遠方へ出向く際には、必ず妃を伴ったという習慣の名残から、という人もいます。
ファーストレディには、一般的には専属の護衛官が付いているそうです。アメリカなどでは、ファーストレディ専用のスタッフと専用のオフィスが備えられ、公務や政治活動を補佐します。
ホワイトハウスのイーストウイングには、ファーストレディ専用のオフィスがあるそうですが、ヒラリー・クリントンさんは、ホワイトハウスの心臓部であるウエストウイングにオフィスを置いていたそうです。
ファーストレディは夫人だけじゃない?
なかには、国家首脳が未婚であったり離婚している場合があります。また、夫人が病弱であったり、亡くなっている場合には、その娘さんや姉妹などといった近親の女性がファーストレディとなります。
日本でも、田中角栄首相の夫人が病弱だったため、長女の眞紀子さんが常任の「ファーストレディ代理」を務めていました。
一方で、独身だった小泉純一郎首相は、慣例にこだわらず5年間の在任中、1度もファーストレディの代理を置かなかったという例もあります。
ドラマチックな人生を送る人が多い?
ひとことで「ファーストレディ」といっても、波乱万丈な人生を送る方が少なくないようです。政権に安定をもたらしたと言われるアルゼンチンの女優・エビータことエヴァ・ペロンさんは映画化もされましたし、対照的に国を傾けたといわれるイメルダ・マルコスさんなどは、歴史的ニュースとしても名が残る存在ですね。
また、アメリカ大統領夫人だったエレノア・ルーズベルトさんとヒラリー・クリントンさんは「最強のファーストレディ」との異名を冠しているそうです。
エレノアさんは、1946年から1952年までアメリカの国連代表を務められ、ヒラリーさんはオバマ政権の国務長官に就任しています。ホワイトハウスを去った後に公職に就いたファーストレディは現在までにこの2例しかないそうです。
独自でキャリアを積んで進める女性であることが、最強のファ―ストレディたる所以のように感じますね。
この記事へのコメントはありません。