日本という一国の行政のトップである「内閣総理大臣」は、どうやって決まっているのでしょうか。そもそも総理大臣は、国会議員しかなることができません。さらに国会から指名を受けることで、ようやく総理大臣になることができます。
では、国会議員になるにはどうしたらよいのでしょうか?国会から指名されるには?
ここでは、日本の総理大臣の決め方、なり方について、迫ってみたいと思います。
国会の指名を受けるには
総理大臣になるには、まず、衆議院か参議院のどちらかの国会議員になることが必須条件です。ただし、これまでに参議院から総理大臣になったケースはありません。ということは、衆議院議員を目指す必要があるということです。
しかも、1、2回選挙に当選したくらいではそれほど人脈も築かれないと言います。選挙に勝って、公約を守り、さらに次の選挙にも当選することが必要になってきます。
最低でも5回は当選して、地域住民の信頼を得ることがとても大切になります。周囲の信頼を得て、実績の積み重ねを認めてもらうことが、支持に繋がっていくのですね。
日本は議員内閣制をとっており、衆議院での多数党、または多数を制する政党の連立により、内閣が組織されます。ですので、それら政党の支持を集めることも重要な条件となります。
現在で言えば「自民党」が最多数党であり、与党になります。より多くの自民党議員からの支持を集めることが、重要ということになります。
そして国会で「内閣総理大臣指名選挙」が行われ、この場で衆議院・参議院の賛成多数を得なくてはなりません。現状としては、衆議院で過半数の賛成を取れば、ほぼ確定といえます。
また、現在の日本の政治状況を顧みると、与党の長となる人物がそのまま総理大臣に就任するケースがほとんどです。2018年では、安倍晋三総理が自民党総裁も勤めています。党首でなくても総理大臣になることは可能ですが、大多数が党首を擁立させています。
総理大臣は有名大学を出なければならない?
政治家には有名大学出身者が多く、歴代の総理大臣も東京大学、早稲田大学などから数多く輩出されています。現在の安倍晋三総理は、成蹊大学法学部の出身です。
政治家を志すのであれば、そうした有名大学に進学することが、高ポイントといえるかもしれません。しかし政治家の100%が大学進学をしている訳ではありません。
歴代の総理大臣の中には、大学進学をしていなくても、強烈なリーダーシップで総理大臣まで登りつめた人物もいます。現代でも時折名前を耳にする、田中角栄元総理がその一人です。
「大胆で手段を問わない人物」として、当時のアメリカの大統領補佐官から「したたか者」と評されたこともあるそうです。学歴は高いに越したことはありませんが、卓越した機転と能力は必須のようですね。
総理大臣の任期は何年?
総理大臣の任期については、憲法上は規定されていないそうです。しかし、衆議院の任期が4年と定められているため、次回選挙の後の国会召集で、内閣は総辞職することになります。
この総辞職の後で、また同じ人物が総理大臣として指名されれば、任期がそのまま延びる形となります。現在の安倍晋三総理も、第96代、97代、98代と任期が長く続いています。
一方で、スキャンダルや不祥事などで支持率が著しく低下し、就任して3カ月もしない内に退任に追い込まれるケースもあります。
「総理大臣」という職業は、プライベートがほとんど無く、日々マスコミに追われ、さまざまな国難やプレッシャーと戦いながらの激務でもあり、身体を壊してしまう人もいます。
一国を背負う総理大臣とは、ともすれば国を傾けてしまう危険性も併せ持っていることを自覚しなければならない、途方もなく繊細で怖い職業なのかもしれません。
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