世の中に、幽霊が出るとかポスターガイストが起こるとか、さまざまな噂が立つ家が存在しますが、実は日本の首相官邸にも、その噂があったことをご存知でしょうか。
ぞっとしない話ですが、どうやら以前からその噂はあったと言います。ここでは、首相官邸に出るという噂の幽霊話について、ちょっと怖いですが迫ってみたいと思います。
安倍首相が官邸に住まない理由だった?
首相が公邸に住むか否かは、危機管理対応に支障がでないことを前提に、歴代首相ごとに判断が委ねられているそうです。現在の安倍首相は、自宅の方がゆっくり休める、という理由で公邸には住んでいませんが、実は公邸に幽霊が出るという噂が、前々からあるそうです。
2013年に、公邸に自民党幹部を招いての会食の際、公邸に住まない理由を聞かれた安倍首相は、冗談まじりに「幽霊が出るから嫌なんです」と答えたといいます。テレビに出演した際には「都市伝説」だと否定したそうですが、噂は当然周知していたんですね。
旧官邸・公邸の歴史
現在の公邸は、小泉首相の時代に、旧首相官邸だった建物を移動させて、改装されたものだそうです。以前の公邸は取り壊されていますが、この旧官邸と旧公邸の歴史に、噂の根源があるようです。
旧官邸は、過去にテロの標的となったことがあります。1932年の5.15事件では、当時の犬養毅首相が、武装した大日本帝国海軍の青年将校たちに射殺されるという反乱事件が起きています。
また、1936年の2.26事件では、青年将校の反乱部隊が、首相官邸を襲撃し、当時の岡田啓介首相と間違えて義弟を射殺してしまいます。その時に公邸も荒らされたといいます。
それ以降、物騒な敷地として、歴代の首相は誰も公邸に住もうとしなかったそうです。中には、世間から「御殿」と呼ばれるような自宅を、官邸のように使用していた首相もいたようです。
1968年に、32年ぶりに公邸に居を構えたのは、長期政権の佐藤栄作首相だったそうです。その際、公邸の大改修を行ったそうですが、この時、すでに怪談噺があったようです。それに加えて、日当たりも悪く、古く、使い勝手のよくない公邸の住み心地は、決して満足のいくものではなかったといいます。
その後の怪談もぞくぞく?
その後、旧公邸に住まいを構えた歴代首相たちも、怪奇現象に悩まされた人が居るようです。羽田孜元首相の夫人も、「庭に軍服を着た人たちがたくさんいると言われて、お祓いをしていただいた」と語っているほか、鳩山由紀夫元首相夫人が幽霊を見たという話が、番記者の間で話題になったといいます。
また、森喜朗元首相は、就寝中に複数の軍靴の音が近づいてきて寝室のドアの前で止まったため、「誰だ!そこにいるのは!」とドアを蹴り開けたところ、誰もおらず、急いで秘書官に連絡を取ったそうです。
後を引きついだ小泉純一郎元首相は、その話を聞き「何言ってるんですか」と笑っていたそうですが、旧公邸に移り住んだ直後に、神社に依頼しお祓いを行うなど、態度が急変したという話です。
2005年に、小泉純一郎元首相は旧官邸を改修し、現公邸として引っ越しを行いましたが、その後も怪談噺は後を絶たない様子です。
安倍首相が公邸に住まない理由は、本当に幽霊のせい?
幽霊騒動は、とうとう政府が答弁を作成する事態となっています。民主党の加賀谷健参院議員が、「旧総理大臣官邸である総理大臣公邸には、2.26事件の幽霊が出るため、安倍総理は引っ越さないのか」という内容の質問に対し、政府は「お尋ねの件については、承知していない」という答弁を閣議決定したそうです。
この答弁は、官房長官の会見でも話題となりました。「菅長官も公邸に行った際に、その気配を感じたか?」という質問に、「言われればそうかな、と思う」と苦笑いしたというエピソードがあります。ちょっとしたユーモアのようにも感じられるのは、菅長官の気遣いでしょうか?
安倍首相が公邸に住まないのは、旧官邸であることから、盗聴器に対する警戒や、セキュリティにも不安があるためという人もいます。どちらにしても、過去の歴史を見ると公邸に住みたいとは誰も思わないような気がしますよね。
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