EU離脱問題で揺れているイギリスですが、その他にもいろいろと問題が浮上してきているようです。現在の首相は、保守党のテリーザ・メイさん。「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャーさん以来のイギリスの女性首相です。
では、テリーザ・メイさんとは、どんな女性なのでしょうか?ここでは、イギリスの政治家、テリーザ・メイさんについて、迫ってみたいと思います。
幼いころから政治家を目指していた?!
第76代イギリスの首相となったテリーザ・メイさんは、1956年、イングランド南部のイーストボーンという街に生まれます。イーストボーンはイギリス有数のリゾート地で、ビーチ沿いにはプロムナードが続き、瀟洒なリゾートホテルが建ち並ぶ歴史を感じる街です。
イングランド国教会の司祭で、公共活動派だった父親の影響もあり、テリーザ・メイさんは12歳で政治家を志したといいます。公立の進学校を経て、オックスフォード大学で地理学を学んだそうです。
イングランド銀行からキャリアを重ね、1997年に下院議員となります。2002年には保守党の幹事長に就任し、2003年には枢密顧問官に就任。着々と政治家として経歴を積み、2010年の総選挙で保守党が勝利した際には、内務大臣に就任することになります。
ついにイギリスの首相へ!
2016年に「EU離脱の是非を問う国民投票」が行われたことは記憶に新しいですね。この時、僅差で離脱派が勝利しました。
メイ首相は、基本的には離脱派であるはずの欧州懐疑主義派と言われていましたが、この投票ではEU残留に投票の意志を表明しました。ただし、残留のキャンペーンには消極的であったと言われています。
離脱派が勝利したことで、デーヴィッド・キャメロン元首相が辞任を表明し、後継者選びの為の保守党党首選挙が行われることになりますが、これにメイ首相が立候補の意思を示しました。
メイ首相は、EU離脱の遂行や2020年以前に解散総選挙を行うことはないなど、イギリスの団結と国民全員の未来のための強いビジョンを論じています。
さらに、当初5人いた立候補者が次々と辞退したことも受け、2016年7月に唯一の候補者となったメイ首相の就任が決定します。
バッキンガム宮殿で、メイ首相はエリザベス2世女王から首相就任の承認を受け、マーガレット・サッチャーさんに続く2人目の女性首相がここに誕生することになりました。
EU離脱?残留?揺れるイギリス
国民投票で離脱派が勝利し、メイ内閣が発足しましたが、今年の4月、メイ首相は突然、解散総選挙の実施を表明しました。
この頃は、保守党も結束を保っていたとみられ、メイ首相は支持を得ていると思われていました。しかし、選挙が終わってみると、実際にはどの政党も過半数に届かないという結果でした。
保守党の敗因を、「サッチャー元首相のように、強いリーダーシップをとれなかった」ことだとみる人もいます。
メイ首相は、マニフェストに掲げた公約をメディアで批判され、有権者から反発が出たとたん、軌道修正したそうです。簡単に方向転換してしまった意志の弱さに対して、有権者たちに疑念を抱かせる結果になったといいます。
また、メイ首相は、自分の考えを表に出さないそうです。政治家同士の馴れ合いも良いと思っていないため、「氷の女王」と呼ばれています。
EU離脱交渉へのカウントダウンは?
EU離脱交渉の期限が、2019年3月と迫っている中、イギリス国内はさらなる混迷に向かうだろうとみる人もいるようです。
「鉄の女」になれなかったと評された「氷の女王」の今後の姿勢が、イギリスの未来にどんなふうに影響するのか。遠く離れた国のことではあるのですが、少なからずその余波を受ける日本も、注目していくことが大事なのかもしれません。
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