第97代内閣総理大臣の安倍総理には、幼い頃から離れてくらしていた実弟がいます。2017年1月現在、外務副大臣を務めている、岸信夫さんです。
苗字が異なるのは、岸信夫さんが赤ちゃんの頃に岸家の養子となった事情からで、腹違いではありません。
では安倍総理の弟・岸信夫さんとは、どんな方なのでしょう?また、養子となった事情とは?ここでは、デリケートな話題に少し触れてみたいと思います。
安倍総理は三兄弟の二男
安倍総理の兄弟は、実際は長兄の寛信さんと弟の信夫さんになるそうです。しかし、弟の信夫さんは、生後間もなく安倍総理の母親・洋子さんのご実家である岸家に養子として迎えられます。
養子となった事情とは、洋子さんの兄弟である岸家の信和さんと仲子さん夫妻のあいだに子供ができず、信和さんに軽度の障害があったこともあり、政治家活動を続けることが困難であったためだそうです。
岸家の養子となったことにより、岸信夫さんは血縁・戸籍上ともに「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介元総理大臣の内孫、ということになります。
「昭和の妖怪」祖父・岸信介ってどんな人?
岸信介(右から2番目) 岸信和(左から2番目)
安倍総理の祖父でもある岸信介元総理は、第56代、57代内閣総理大臣だった人物です。第二次世界大戦前から、その手腕を買われて活躍し、戦後はA級戦犯被疑者として3年間拘留されていますが、不起訴のまま無罪放免となっています。
その後、政界に復帰し、幹事長、外務大臣を経て内閣総理大臣に就任します。反対運動が過激化する中、日米安保条約改定を強行し、総辞職。しかし退任後も政界に強大な勢力を持ち続けたといいます。
また、第61代、62代、63代内閣総理大臣を務めた佐藤栄作元総理が実弟でもあります。周囲の環境から考えても、岸家には政治家になるべき後継者がどうしても必要だったという事情もあるようですね。
安倍家の家系図につきましてはこちらの記事もご参照ください。
事情を知らされずに育った少年時代
岸信夫さんは、養子である事実を知らずに育ったそうです。大学進学に際し、戸籍謄本を取り寄せたところ、『養子』の記載を見て、初めて事実を知ったといいます。
多感な青年期に、その事実を知ることはかなり大きなショックだったと想像できますよね。大学入学のときになって、いとこと思っていた安倍晋三総理が実は本当の兄弟と知るのです。岸信夫さんはその頃を振り返ると「事実を知ってひと月ほどは、頭の中が一種錯乱状態に陥った」と語っているそうです。
そんな複雑な事情を乗り越えて、岸信夫さんは慶應義塾大学経済学部卒業後、昭和56年4月、住友商事株式会社に入社します。
いよいよ政治家の道へ
平成14年8月、岸信夫さんは、住友商事株式会社を退職します。そして平成16年7月、第20回参議院議員通常選挙において、山口県選挙区から自民党公認で出馬し、初当選を果たします。
その後、平成20年8月の福田改造内閣、平成20年9月の麻生内閣にて防衛大臣政務官に就任。平成24年12月には、こんどは第46回衆議院議員総選挙に山口2区から出馬し、初当選を果たしました。そして平成25年9月に、いよいよ第二次安倍内閣・外務副大臣に就任します。
比較的早い段階で副大臣に就任した背景には、“ゴッドマザー”と呼ばれる母親・洋子さんの影響も強くあったとみられていますが、ご本人も住友商事時代から、アメリカやベトナムなどの海外の勤務を経験されてあることもあり、適任なのかもしれませんね。
『外交』は祖父からも引き継がれる?
祖父の岸信介元総理も、父親の安倍晋太郎氏も、外務大臣を経験されています。安倍総理の実弟である岸信夫さんが将来的に外務大臣に就任するとなると、兄弟で基盤が築けることになるのか、懸念が広がるのか。こちらもデリケートな問題となりそうですね。
記事の最後あたり、安倍晋太郎さんは
外務大臣でしたが、元総理大臣ではありまさふん。訂正をお願いします。
ご指摘頂きましてありがとうございます。
修正させて頂きました。