第90、96、97代と内閣総理大臣を務める安倍晋三総理ですが、多くの政治家の方と同じように、ご自身の信条をあらわす「座右の銘」があるそうです。総理大臣になる前に、その座右の銘が新聞の記事に掲載されています。そして、国会や公共の場で放たれた名言にも、当然ながら話題が集まります。
ここでは、そんな安倍総理の「座右の銘」と「名言集」についてご紹介したいと思います。
安倍総理が信条とする座右の銘
安倍総理が第90代の内閣総理大臣として就任する少し前ですが、自民党総裁選の最中、毎日新聞に「座右の銘」が記事として紹介されました。
その座右の銘とは、「至誠にして動かざる者未だ之れ有らざるなり」です。意味は「誠を尽くして動かしえないものはこの世には存在しない」という、なんとも強い意志です。
これは、中国の孟子の言葉ですが、この言葉を自分の思想・信条の根幹としたのは、幕末の思想家であり明治維新の精神的指導者とも言われる吉田松陰です。
安倍総理と吉田松陰と安倍昭恵さん
吉田松陰は、1830年、いまの山口県萩市に生まれました。幼いころからその才能を認められて勉強を積み重ね、1857年に「松下村塾」を開塾します。松下村塾の塾生には。尊王攘夷の志士・高杉晋作や初代内閣総理大臣の伊藤博文など、明治の日本を牽引する有志が多くいたことでも有名ですね。
吉田松陰は1859年の安政の大獄で処刑されますが、その後門下生たちによる活躍で、日本は明治維新を迎えます。吉田松陰の意志が、門下生に引き継がれたことにより、「至誠」によって人が、歴史が動いたという解釈にも繋がっているようです。
また、吉田松陰の松下村塾は、一方的に師匠が弟子に教えるだけのものでなく、松陰自身が弟子たちと一緒に意見を交わしたり、登山や水泳などの時間を共有するなど「生きた学問」を学ぶ場だったとも言われています。
そうした意見交換の場を設けるなどは、総理夫人の昭恵さんの考え方にも、似ているところがあるようにも思えますね。
安倍総理は、地元の生まれでもあるこの吉田松陰を敬愛しており、「至誠にして動かざる者未だ之れ有らざるなり」を座右の銘とされているようです。
その強い意志は、アベノミクスでも遺憾なく発揮されているようです。
安倍総理の名言集
【第百九十三回国会・総理施政方針演説】「私たちの子や孫、その先の未来、次なる七十年を見据えながら、皆さん、もう一度スタートラインに立って、共に、新しい国創りを進めていこうではありませんか。」⇒ https://t.co/YlpEEDLCTc pic.twitter.com/wxiAcfKDTS
— 首相官邸 (@kantei) 2017年1月20日
安倍総理が紡ぎだす名言も、数々注目を集めているようです。それは、著作の中からであったり、公共の場で呟かれたものであったりしますが、国家元首の一言なので、どうしても敏感に受け取ってしまうのは仕方ないことなのかもしれませんね。
例えば、ヤジられた時の対処法として「なるべく冷静になるようにと思い、息を4秒吸って、8秒で吐くようにしている」という言葉などは、総理でなくても日常的に必要なこととして、共感を得ます。
また、過去の苦しい経験を忘れないことが大切として「自民党は2009年に政権を失った経験をしっかり頭に入れています。国民に「NO」を突きつけられた自民党に再び戻ってはいけない。あの時のことは忘れてはいないし、忘れてはいけないと思っています」と発しています。これも、誰もが乗り越える壁として持っているものに通じますね。
また、「日本は戦後、民主主義と自由を守り、平和国家としての道を歩んできました。この姿勢を貫くことに一点の曇りもありません。」とも発言しています。平和国家を望むのは、日本もほかの国も同じと信じたいです。
政治に関したことだけではありません。安倍総理は「友達がいなくて独りぼっちの子がいたら、ぜひ声を掛けてあげてください。私が子供のときにそういうことができなかったことを今でも後悔しています。」と、以前小学校を訪問した際に発言しています。自身の苦い経験もさらけ出すことができる、強い意志を感じます。
すべての発言が注目の的
名言である場合も、そうでない場合も、世間はその一言にとても敏感に反応します。注目されていることに対して、自信をもって発言するというのもなかなか大変なことですね。
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