2017年イヴァンカ・トランプがビジネスのひとつとして展開しているファッションブランド「イヴァンカ・トランプ」が、アメリカの有名デパートで取扱い中止になったというニュースが流れました。
何故?タイミング的に不審に思った人もいたようです。
そして、今回どうやらブランドそのものが廃止されるとの情報が取り沙汰されています。
ここではイヴァンカ・トランプのブランド戦略と、そのビジネスについて、迫ってみたいと思います。
「イヴァンカ・トランプ」ってどんなファッションなの?
第45代アメリカ大統領・ドナルド・トランプとイヴァナ・トランプの娘であり、トランプ・オーガナイゼーションの副社長を務めたイヴァンカ・トランプは、ファッションブランド「イヴァンカ・トランプ」を展開しています。
トランプ政権となってからは、ブランドの経営からは退くことが発表されましたが、アメリカの大手デパートでも取扱いのある有名なブランドです。
コンセプトは「すべての働く女性のために」だそうです。プレタポルテではなく、あくまでカジュアルで、若者にも手が届く価格のファッションを手掛けています。ターゲット層は20代を中心にしていたようで、ワーキングウーマンのための商品をそろえているそうです。
花柄のワンピースなど可愛らしいタイプのものも多く、靴も手掛けているため、イヴァンカブランドのコーディネートも楽しめそうです。
ただ、実際の購買層は30代から40代が主だったという話もあります。庶民派のブランドであり、コンサバ系が多いとも言われています。そのためか、欧米からの評価は、なかなか手厳しいものが多いようです。
2016年秋から、不買運動が続き、売り上げ低下も…
さらに、2016年の10月頃から「グラブ・ユア・ウォレット(財布のヒモを締めろ)」と称するトランプ家にかかわる商品の不買運動がおこりました。
原因のひとつには、ドナルド・トランプ氏が女性に対してはなった差別的発言が問題となった件があるようです。
デパートの展開に縮小の兆しが?
アメリカ大手のデパート“ノードストローム”は、2017年2月、「イヴァンカ・トランプ」ブランドの取扱い中止を発表しました。
取扱い中止の理由は、売り上げ減少によるものということでしたが、このノードストロームは、不買運動の対象となっていたデパートでもあります。不買運動の関係が全くなく、通常に商品の人気と関係しているかどうかはわかりません。
その後、ノードストロームに続くように、“ニーマン・マーカス”も「イヴァンカ・トランプ」ブランドの削除を発表しました。
現在、デパートでは“ブルーミングデールズ”などが販売を続けています。
トランプ氏の国家的?反撃
この一件に対し、トランプ大統領は激怒します。ツイッターの個人的なアカウントだけでなく、公式大統領アカウントも使い、ノードストロームを激しく批判しました。ホワイトハウスの公式アカウントは、オバマ大統領も使用していたもので、1500万人のフォロワーがいるといわれています。
ホワイトハウスの報道官は、「ノードストロームは、政治的な意図をもって、イヴァンカさんのブランドを取り下げたと考えている」といいます。ただし、それを主張する根拠を示すことはしておらず、大統領の公式アカウントを、娘のビジネスのために利用した正当性についても答えてはいないといいます。
「イヴァンカ・トランプ」はこの一件に対し、コメントはしないと回答しているそうです。大統領である父親のサポートを積極的に行うため、現在はブランドの経営には深く関わっていないこともあるかもしれません。
デパートでの取り扱いは減っても、Amazonなどの通販サイトでは、販売展開は続いています。逆に日本では知名度がかなりアップしているようですね。
イヴァンカ・トランプが廃止に
2018年7月、「イヴァンカ・トランプ」ブランドの廃止が発表されました。
表向きは大統領補佐官の仕事に集中するためとのことですが、背景には反トランプの人達によるトランプ一族の商品を買わないようにする不買運動もあるようです。また、イヴァンカ・トランプ製品の生産地はベトナムや中国がほとんどです。これは父トランプ大統領が掲げる「アメリカ・ファースト」の政策とも相反するものです。
このあたりのことも考慮し、ブランドの廃止を決めたようですね。
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