2016年、夏。安倍首相の妻・昭恵さんは、沖縄県にあるアメリカ軍訓練場内のヘリパッド建設工事現場を訪ねたことを、自身のフェイスブックに書き込んでいます。
沖縄にどうしても行きたかった昭恵さんの意図とは?昭恵さんの沖縄に対する考え方は、安倍首相の考えとは異なるようです。
ここでは安倍首相の妻・昭恵さんの沖縄への想いについて、迫ってみたいと思います。
単独での沖縄への訪問
昭恵さんは、2016年8月に沖縄の東村高江に単独で訪問しています。安倍首相にも相談せず、告げずに訪問したそうです。言えば反対されることを懸念したのでしょうか?それはわかりませんが、昭恵さんは、「何が起こっているのか」を自分の目で確かめたかったといいます。昭恵さんらしい考え方ですね。
実際に建設予定地の住民の方がたと話をする機会があり、政府に対する非難や注文を受けたようですが、当然ながら昭恵さんからの明確な返答は控えられています。約10分たらずの短い滞在だったそうですが、昭恵さんが「本当に知りたかったこと」は多少なりと得られたのかもしれません。
一部では訪問の真意を測りかねた住民が、昭恵さんを取り囲む場面もあったといいます。「個人的な理由で来たにせよ納得いかない」と正面から怒りを受けたそうです。
「非難・批判は覚悟のうえ」と、昭恵さんはフェイスブックでも決意を見せています。まずは行動を起こすことが、昭恵さんが目指す先への第一歩となっているようです。
沖縄県、東村高江ってどんなところなの?
昭恵さんが訪れた沖縄県の東村高江には、「やんばる」と呼ばれる森林地帯があります。世界的にも希少な亜熱帯林が残されている場所だそうです。
その稀有な自然環境は、貴重で珍しい動植物たちの住処となっています。その高江に、アメリカ軍のオスプレイのヘリパッドの建設が強行されていることで、沖縄の人たちは反対運動を起こし、機動隊と対立しているのです。
「やんばるの命の森にヘリパッドはいらない!」という高江の住民の声は、辺野古の新基地の建設とあわせて、沖縄県民全体の決意の表れとなっています。
昭恵さんの沖縄への想い
昭恵さんは2015年に受けたインタビューで、沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う海域の埋め立てに関しても、前向きでない意見を持っていることを明かしています。
これは、安倍首相とは異なる意見を持っているということになります。埋め立てに前向きでない理由は、純粋にサンゴ礁を守りたいという意志からといいます。
結婚前には、石垣島の新空港の建設に関して、安倍首相とケンカしたこともインタビューで告白したそうです。その時の理由も「飛行場を造ることで、サンゴ礁が破壊されてしまう」ということだったそうです。
海を埋め立てることで破壊されてしまう自然環境を、常に危惧しているようですね。
一方で、辺野古の新基地の建設に対しての賛否は、直接には触れないようにしているようです。
ただ反対するという立場ではなく、という配慮
昭恵さんはよく「家庭内野党」と言われていますが、実際に安倍首相とは家庭内でも頻繁に意見交換をし、反対意見も話しているそうです。
安倍首相とまったく違う意見を持っている人、政権を批判する人の話も聞いてみたい、と昭恵さんは言います。そして実際に会う機会を設けています。そんな大胆な行動が、安倍首相の周囲をやきもきさせてもいる様子ですが、昭恵さんは前向きです。
異なる意見を安倍首相に伝えることで、「橋渡し」役を務めたい、といいます。ただやみくもに反対するだけでなく、「こういう意見もあります」「こういう意見を取り入れては?」と伝えたいそうです。
そうした昭恵さんの行動は、狡猾で生き馬の目を抜くような政治の世界に身を置く安倍首相に、時に新鮮な風を届けているのかもしれませんね。
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